Jupiter Images
2021/08/30(UTC)

 

by M. Murakami

この日は、朝は雲が多かったが、昼頃からは快晴となり、黒点観測後に、金星の撮影も出来た。
暗くなっても晴天は続いて、夕食後から始めて2時間ほどで、雲に邪魔をされることなく六回の経度10度刻みでの撮影が出来た。
シーイングはチラツキはあるものの、5-3/10程度であった。気温28℃、湿度81% とまだ蒸し暑い。

木星面は、大赤斑の後方で、大赤斑は隠れてしまっている。南南温帯縞の白斑(SSTB-AWO)がずらりと並んでいるところで、
一部を拡大した参考図に示したように、A1-A5の白斑が捉えられている。なお、A6と呼ばれたものは前観測期に消滅して存在しなくなっている。
A4とA5間の少し緯度の低いところの明班は(SSTB cyclonic white region : CWO)と呼ばれるもので同等に明るく見えている。
後方には永続明班BAがあり、その前方の緯度の低いところには、WS6とされる明班があり、こちらも明るく写っている。
ds7とマークした暗部の前後では、淡化している南温帯縞(STB)の一部が復活してきている。

永続明班BAは、以前には永続湾と呼ばれた三つの明るい白班(BC, DE, FA)が、 歳月と共に徐々に接近して合体して、
いまの姿になったもので、1960年代当時に比べるとはるかに暗く目立たないものになってしまっている。

北半球では、北北温帯縞(NNTB)の濃度のあるところが廻って出てくるところで、
その先端の少し高緯度側には、NN-WS6と名付けられている小さな明班が認められる。

画像をクリックするとL・R・G・B・IR・B2などの各単色光画像が出てきます。