火星 2020/11/05 (UTC)

 

 

by M.Murakami

この日は早い時刻からの開始で40分インターバルが7回撮影できたが、1回目は高度は30度ほどで、まだシーイングも悪く成果は上がらなかった。
3回目からは高積雲のなかで、どうにかインターバルが取れた。5回目からは雲が無くなり、風も弱くシーイングも6/10と良くなった。
12h41m(GMT)の南中過ぎの最後の回のあとには巻積雲の中に入ってしまい観測終了とした。

火星面は前日同様に、夕方にソリス・ラクス(Solis L)があり、午前側には マレ・シレーナム(M.Sirenum)という構図で、ソリス・ラクスの周囲には
パシス(Phasis)等が取り巻き、内側のクラリタス(Claritas)なども明るく判る。マレ・シレーナムの南は3つの大陸の明帯が連なる
B2光画像ではタルシス (Tharsis)辺りが夕縁に近づいて明るくなってゆく様子がわかり、 アルシア・モンス(Arsia Mons)が独立した光点となって行く、
また、南半球朝縁からの朝靄の流れも捉えられていて、相模原のIshibashi氏が同時刻に撮したB光画像を参考図として引用した。
これらの、夕縁・朝縁・北縁での明るさはモニター画像でも確認できていてメモが残されている。

また、この日の先立つアメリカでの観測では、アウロラエ・シヌス(Aurorae S)の北の、ユゥエンタエ・フォンス(Juventae F)に
明るい光点が発生しているのが撮影されている。日本からでは、夕縁ギリギリの所で捉えられなかった。

画像をクリックすると、各フィルターで撮影した全画像を見ることが出来る。