中秋の名月とスーパームーン 2015/09/27-28(UTC)

作者名:
H.Asai

 

9月28日の満月の際、日本では皆既月食が見られませんでしたが、スーパームーンとのことで1年中で月が最接近して、見かけ上大きな月が見ることができました。

また、前日は中秋の名月で秋を感じることができました。幸い天気に恵まれて、久しぶりにデジカメの直接焦点で撮影しましたので、ご覧下さい。

by H.Asai

両方の画像は、満月の前後となり、それぞれ西側と東側が少し欠けているのが分かります。

 

by H.Asai

今回、月での日出明暗境界線を表す太陽の月面余経度と、撮影画像から明暗付近のクレーターの識別を行い、 その経度差を求めることを試みました。

その結果は、次の通りです。

(なお、月面余経度はWinJuposから求めました)

 

中秋の名月

 月面余経度: 81.1° 

 識別できたクレーターの最大経度: 西経76.6°(Hedin) 4.5°の差

スーパームーン

 月面余経度: 94.0°

 識別できたクレーターの最大経度: 東経84.6° (Neper) 1.4°の差

 

なお、天文年鑑によると月の首振り運動である撮影時の秤動の値は、次の通りです。

 中秋の名月: 東西方向:-1.1°

 スーパームーン: 東西方向:+1.0°

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上記のデータと結果から、

①スーパームーンの場合は、Neperが識別できたことにより約5°差が縮まったが、 一般的には、満月の前後では、明暗境界線では経度が大きくなり、 地球から見たクレーターは縦長になり識別が困難となり4°~5°の差があると思われる。 但し、口径の大きな望遠鏡では分解能が良くなり識別し易くなり、この差は縮まる可能性がある。

②秤動による影響は、今回たまたま小さかったが、大きいときは、5°にもなるので、考慮する必要がある。

③この方法では、適切なクレーターが明暗境界線に無い場合、また、大きなクレーターでは、 一部分しか見えない場合などは、適正な値が求められるとは限らない。