小惑星Phaethon(3200)画像 2017/12/17 (UTC)

by H. Kudo at Cairns, Australia

小惑星Phaethon(3200)は、ふたご座流星群の母天体と言われております。

先日は小惑星ファエトンの撮影でいろいろと準備をしましたので、 ご報告させていただきます。一応写真には収めましたが、非常に 動きが速いのでかなり苦労しました。中心に入れても、ガイド 星を探している間にどんどん動いてしまいます。画角に入っている かどうかは撮影後に見るしかない状態でした。彗星であれば淡く写るので 写真を見れば画角に入っていることはすぐに判断できるのですが。 私のPhotometry計測で11.5等と出ました。

新しい試みの彗星追尾機能は、残念ながら失敗に終わりました。 かなり成功に近いところまでこぎつけたのですが、土壇場で逆転負けした 気分です。蓼科でも挑戦される機会があると思いますので、問題点を 以下に整理します。

- PHD2 GuidingはWindows 8で正常に動作するように改善されていましたが、 QHY5L II-Cとの接続にはASCOM Platform 6.3にバージョンアップする必要 がありました。

- 連携にはCartes de Ciel 4.0 のPHD Guiding Interface機能を使用しました。 CdCは時間当たりの移動量を計算して、このデータをPHDに転送してくれます。 ここまでは上手くいきました。ちなみに12月17日のファエトンの移動量は RA -1731.19 DEC 1478.40です。注意すべき点は両方ともarcsecです。

- 残念ながらPHDは受け取ったデータをそまま利用するだけで、赤道儀が どこを向いているのかまでは判断できないようです。私も失敗したので、ここからは 予想ですが、南半球ではこの補正値RA とDECの正負を反転する必要があるようです。 しかも星が西の空になるファエトンの場合、カメラの南北が逆になるので、DECだけ もう一度正負を反転する必要があったと思われます。

- また私のテストでは追尾の移動量が2倍になる問題が発生しました。これも 未検証ですが、PHDはガイドカメラからピクセルサイズを自動で読み込み 計算しています。QHY5L-II Cの場合3.75ミクロンですが、私はQHY5をBIN2x2 で使用しています。もしかすると、移動量が2倍になるのは、このせいかもしれませ ん。 CdCから受け取ったデータを半分にするべきでした。

作業中に全部の問題を判断できず、時間切れとなりました。