by H. Kudo at Cairns, Australia
小惑星Phaethon(3200)は、ふたご座流星群の母天体と言われております。
先日は小惑星ファエトンの撮影でいろいろと準備をしましたので、
ご報告させていただきます。一応写真には収めましたが、非常に
動きが速いのでかなり苦労しました。中心に入れても、ガイド
星を探している間にどんどん動いてしまいます。画角に入っている
かどうかは撮影後に見るしかない状態でした。彗星であれば淡く写るので
写真を見れば画角に入っていることはすぐに判断できるのですが。
私のPhotometry計測で11.5等と出ました。
新しい試みの彗星追尾機能は、残念ながら失敗に終わりました。
かなり成功に近いところまでこぎつけたのですが、土壇場で逆転負けした
気分です。蓼科でも挑戦される機会があると思いますので、問題点を
以下に整理します。
- PHD2 GuidingはWindows 8で正常に動作するように改善されていましたが、
QHY5L II-Cとの接続にはASCOM Platform 6.3にバージョンアップする必要
がありました。
- 連携にはCartes de Ciel 4.0 のPHD Guiding Interface機能を使用しました。
CdCは時間当たりの移動量を計算して、このデータをPHDに転送してくれます。
ここまでは上手くいきました。ちなみに12月17日のファエトンの移動量は
RA -1731.19 DEC 1478.40です。注意すべき点は両方ともarcsecです。
- 残念ながらPHDは受け取ったデータをそまま利用するだけで、赤道儀が
どこを向いているのかまでは判断できないようです。私も失敗したので、ここからは
予想ですが、南半球ではこの補正値RA とDECの正負を反転する必要があるようです。
しかも星が西の空になるファエトンの場合、カメラの南北が逆になるので、DECだけ
もう一度正負を反転する必要があったと思われます。
- また私のテストでは追尾の移動量が2倍になる問題が発生しました。これも
未検証ですが、PHDはガイドカメラからピクセルサイズを自動で読み込み
計算しています。QHY5L-II Cの場合3.75ミクロンですが、私はQHY5をBIN2x2
で使用しています。もしかすると、移動量が2倍になるのは、このせいかもしれませ
ん。
CdCから受け取ったデータを半分にするべきでした。
作業中に全部の問題を判断できず、時間切れとなりました。