2021年11月08日の金星食

 

日中の条件の良い時間帯に起きた金星食です。金星の南中は14:43(JST)、地平高度は27°でした。
下のシミュレーション画像の様に、月齢3の細い月の暗縁に隠れて行き、明縁から出現する現象でした。
終了後の夕方に暗くなったときには、三日月と明るい金星が並んで光っていました。

by M.Murakami

村上は合宿から早めに戻って、常用している金星撮影のシステムで自宅での撮影です。
10cm屈折を使用して、ASI-120MM-s モノクロCMOSカメラ, 2x barlowで撮影した、L光画像です。

上のWinJuposのシミュレーション画像をクリックすると、L光画像が出てきます。

当日の天気予報は曇時々雨でしたが、午前中より雲間から太陽が出て雲の多いものの青空も拡がり、観測できる様子となりました。
金星を導入しましたが、赤緯の低い「いて座」にいる金星は高度がなく、東から流れてくる積雲に時々隠されていました。

現象開始時刻になっても雲の中で、どうにか三分間の潜入時間内に、雲間に二コマ姿を捉えることが出来ました。
出現時刻は一時間ほど後で、その間に雲は西へ流れて、金星の周囲は大きな晴れ間となりました。
モニター画像には淡く三日月の月面が見えていて、出現時には月縁を捉えようとして露出オーバーになってしまいました。
出現時には金星の半月状に輝いている面の抜けて出るのが早く、こちらも撮影できたコマ数は多くありませんでした。

  

合宿中の蓼科では、淺井氏と藤岡氏も撮影を試みましたが、潜入・出現時には雲の中で撮影は不成功に終わりました。

蓼科では、潜入前に金星と月を捉えて、潜入を待っていたら雲が出て潜入は捉えられませんでした。
その後も雲の勢いは留まらず、残念ながら出現も見えませんでした。
添付は、 潜入開始の31分前の13:13 JSTと、出現終了32分後15:08雲越しの両天体の画像です。( 淺井 )